くきはの余生

リタイアしてようやくのんびり暮らせるようになりました。目指すは心豊かな生活。還暦目前で患った病気のこと、日々の暮らしや趣味のことなどを綴っています。

詩を読む

うつくしいもの・八木重吉:究極の美を求める詩人の想い

八木重吉の「うつくしいもの」を読みました。 『定本八木重吉詩集』(弥生書房)の「秋の瞳」に収載されている一篇です。 青空文庫でも読めます。→作家別作品リスト:八木 重吉 底本は『八木重吉詩集1』(1988年ちくま文庫) 八木重吉は1898年(明治31)年…

傘のうち・島崎藤村:しっとり濡れる雨の道行き

島崎藤村の「傘のうち」を読みました。詩集『若菜集』(1892年春陽堂)に掲載されている一篇。 青空文庫で読めます →青空文庫図書カードNo.1508 底本は『藤村詩集』(1968年新潮文庫) 島崎藤村は1972年(明治5年)生まれの詩人、小説家。北村透谷の雑誌「文学…

秋・尾形亀之助:切り取られた秋のワンシーン

尾形亀之助の「秋」を読みました。 詩集『色ガラスの街』に掲載されている一篇です。 青空文庫で読めます →青空文庫図書カードNo.3213 底本は『現代詩文庫・尾形亀之助詩集』(1975年思潮社) 尾形亀之助(1900-1942)は、宮城県出身の詩人。高校中退後、歌雑誌…

秋刀魚の歌・佐藤春夫:昼ドラ真っ青の恋愛模様が隠れていた

佐藤春夫の「秋刀魚の歌」を読みました。 青空文庫 我が一九二二年 →青空文庫図書カードNo56872 初出は雑誌「人間 第3巻11号」(1921年)。底本は、『現代の本文学大系42佐藤春夫集』(1969年筑摩書房) 佐藤春夫は、1892年(明治25年)生まれの詩人、作…

足跡・蔵原伸二郎:きつね詩人が残したかったことは何だろう

蔵原伸二郎の「足跡」を読みました。 青空文庫で読めます。→青空文庫図書カードNo.56986 底本は『近代浪漫派文庫29大木惇夫 蔵原伸二郎』(2005年新学社) 蔵原伸二郎(1899年-1965)は詩人、作家。阿蘇神社の直系の家系で、父親は神官。母は医学者北里柴三郎…

僕の国・スチーブンソン:子供は空想の世界であそぶ

スチーブンソンの「僕の国」 (新美南吉・訳)を読みました。 青空文庫で読めます。 →青空文庫図書カードNo.45120 底本は『日本児童文学大系第28巻』(1978年ぽるぷ出版)です。 スチーブンソン(1850年-1894年)は、ロバート・ルイス・スチーブンソン。イギリ…

何故詩をかかなければならないか・室生犀星:それでも詩を書かずにはいられない詩人の宿命

室生犀星の「何故詩をかかなければならないか」を読みました。 詩集『愛の詩集』(1918年感情詩社・刊)に掲載されている一篇。青空文庫で読みました。 →青空文庫徒渉カードNo53947 底本は『叙情小曲集・愛の詩集』(1995年講談社文芸文庫)です。 室生犀星は18…

ゆづり葉・河井酔茗:子供たちに何を残せるのだろうと自問しました

河井酔茗(すいめい)の「ゆずり葉」を読みました。 青空文庫で読むことができます。→青空文庫図書カードNo57431 初出は『紫羅欄花』(1937年・東北書院)。『酔茗詩集』(1973年岩波文庫)掲載の一篇です。 河井酔茗は、1874年(明治7年)の詩人。創作のかたわ…

宇宙の中の一つの点・草野天平:今ここに存在している奇跡

草野天平の「宇宙の中の一つの点」を読みました。 青空文庫で読みました →青空文庫図書カードNo51451 詩集『ひとつの道』 (1947年・十時屋書店・刊)掲載の一篇。底本は『定本草野天平前詩集』(1969年・弥生書店・刊)です。 草野天平は1910年(明治43年)生ま…

野分に寄す・:嵐の一夜を過ごす心の高ぶり

伊東静雄の「野分に寄す」を読みました。 詩集『夏花』に掲載の一篇。青空文庫で読めます→青空文庫図書カードNo42179 伊東静雄は1906年(明治39年)生まれの詩人。京都帝国大学卒業後高校教師になり、地方公務員として生涯教鞭をとりながら詩を書き続けました…

花火・北原白秋: 独りで見るのは寂しい隅田川夏の風物詩

北原白秋の「花火」を読みました。 『東京景物詩』に掲載されている一篇です。青空文庫で読みました。→青空文庫図書カードNo49617 底本は『白秋全集3』(岩波書店)です。 北原白秋は1885年(明治18年)生まれの日本を代表する詩人で、短歌や童謡なども多く書い…

オリュンビア祝勝歌第8歌・ピンダロス:古代オリュンビアの華やぎをしのぶ

リオオリンピックも終盤ですね。日本人のメダルラッシュに感動しながらテレビを見てます。 「オリンピックは参加することに意義がある」とは近代オリンピックの始祖、クーベルタン男爵の言葉ですが、いつの頃かメダルを獲得することばかりに目が向いているよ…

薄明・立原道造:映画のラブシーンのような甘やかさ

立原道造の「薄明」を読みました。 青空文庫に掲載されている詩集『優しき歌Ⅰ』 の一篇です。→ 青空文庫図書カードNo889 底本は『立原道造詩集』(岩波文庫) 立原道造(1914-1939)は24歳で若くして亡くなったため、詩集『優しき詩』は没後に複数の人の手によ…

感動・アルチュール ランボー

ランボーの「感動」(中原中也・訳)を読みました。 青空文庫に掲載されている『ランボオ詩集』です。→青空文庫図書カードNo47296 底本は中原中也全訳詩集(1990年講談社) ジャン・ニコラ・アルチュール・ランボー(1854-1891)。フランスの詩人です。 10代で詩…

パン・ガブリエラ ミストラル

ガブリエル・ミストラルの「パン」を読みました。 双書・20世紀の詩人『ガブリエラ・ミストラル詩集』田村さとこ・篇/訳(小沢書店)に掲載されている一篇です。 ガブリエラ・ミストラル(1889-1957)は南米チリの詩人。教育者で外交官でもあります。1945年にノ…

レモン哀歌・高村光太郎

高村光太郎の「レモン哀歌」を読みました。 『高村光太郎全集』(電子書籍) 智恵子抄に掲載の一篇です。青空文庫でも公開されています →青空文庫 図書カードNo4669 智恵子は、1886年(/明治19年)生まれの洋画家、紙絵作家で、高村光太郎の最愛の妻でした。 結…

私の前にある鍋とお釜と燃える火と・石垣りん

石垣りんの「私の前にある鍋とお釜と燃える火と」を読みました。 『永遠の詩5 石垣りん』(小学館eBooks)掲載の1編。 詩集『わたしの前にある鍋とお釜と燃える火と』(1954年)に掲載されています。初出は『銀行員の詩集』伊藤信吉・野間宏・選(1952年) 石垣…

笑いの歌・ウィリアム・ブレイク

ウィリアム・ブレイクの「笑いの歌」(吉田甲子太郎・訳)を読みました。 青空文庫 海外文学に公開されている一篇。 →青空文庫 図書カードNo46818 1789年に発表された詩集『無垢の詩』に収録されている作品です。 ウィリアム・プレイク(1757-1827)はイギリスの…

八月六日・峠三吉

峠三吉の「八月六日」を読みました。 青空文庫に公開されている一篇です。→青空文庫 図書カードNo4963 底本は『原爆詩集』(1952年青木書店・刊) 峠三吉は1917年(大正6年)生まれ。1945年(昭和20年)8月6日に爆心地から3kmの広島市翠町で被爆しました。 …

Enfance finie・三好達治

三好達治の「Enfance finie」を読みました。 アンファンス フィニ。フランス語で青春時代の終わり、過ぎ去りし少年時代、という意味のようです。 青空文庫 詩集に公開されている一篇。→ 測量船 図書カードNo55797 詩集『測量船』(1930年第一書房)に収められ…

私は姉さん思いだす・小川未明

小川未明の「私は姉さん思い出す」を読みました。 青空文庫で公開されている一篇です。→青空文庫 図書カードno.51120 定本小川未明童話全集3(講談社)に収録されています。 小川未明は1882年(明治15年)生まれ。日本のアンデルセンとも称されている児童文学…

のちのおもひに・立原道造

立原道造の「のちのおもひに」を読みました。 青空文庫で公開されている一篇です。→青空文庫 立原道造作品リストNO.11 初出は詩集『萱草(わすれなぐさ)に寄す』(1937年自費出版)。『立原道造全集第1巻 詩集1』(角川書店)に収録されています。 立原道造は…

こがねひぐるまの歌・与謝野晶子

与謝野晶子の「こがねひぐるまの歌」を読みました。 和歌ですので 「こがねひぐるまの歌」というタイトルがついているわけではないのですが、わかりやすくするために勝手に私がつけました。 山川登美子、増田雅子、与謝野晶子、3人の共同歌集『恋衣』に掲載…

陸橋の上で・新川和江

新川和江の「陸橋の上で」を読みました。 詩集『千度呼べば』(2013年新潮社・刊/2014年電子書籍版)掲載の1篇です。 この詩集には恋心を詠った詩が多く収められています。

大漁・金子みすゞ

金子みすゞの「大漁」を読みました。1924年発表の詩です。 『日本童謡集』(岩波文庫)に掲載された作品が注目を浴び、金子みすゞの代表作と言われています。

山に登る・萩原朔太郎

萩原朔太郎の「山に登る」を読みました。 『永遠の詩7 萩原朔太郎』(小学館eBook)掲載の一篇です。 初出は1917年発行の雑誌「感情」1917年詩集『月に吠える』に収録されています。 一見静かなようで、奥に情熱を秘めた愛の詩です。

カレーのつくりかた・長田弘

長田弘の「カレーのつくりかた」を読みました。 『長田弘詩集』(ハルキ文庫)に掲載されている一篇です。初出は1987年刊の詩集『食卓一期一会』(晶文社) 長田氏の詩には食べ物の作り方を詠った詩がたくさんあって、いつも食事を作っている主婦としては読むの…

二十光億年の孤独・谷川俊太郎

谷川俊太郎の「二十億光年の孤独」を読みました。 谷川俊太郎詩集1『空の青さをみつめていると』(角川e文庫)掲載の 1篇です。詩集『二十億光年の孤独』は、1952年創元社から刊行されました。 谷川俊太郎というと現代日本の代表的な詩人です。 国語の教科書…

踊・八木重吉

八木重吉の「踊」を読みました。『定本八木重吉詩集』弥生書房・刊)収録の1篇です。 詩集『貧しき信徒』には愛娘の桃子を詠った詩がたくさんあって、その中のひとつです。

猫・萩原朔太郎

萩原朔太郎の「猫」を読みました。 『永遠の詩7 萩原朔太郎』(小学館eBooks )掲載の一篇です。初出は詩集『月に吠える』 萩原朔太郎は1886年(明治19年)生まれ、亡くなったのは1942年(昭和17年)55歳でした。