くきはの余生

リタイアしてようやくのんびり暮らせるようになりました。目指すは心豊かな生活。還暦目前で患った病気のこと、日々の暮らしや趣味のことなどを綴っています。

大漁・金子みすゞ

金子みすゞの「大漁」を読みました。1924年発表の詩です。

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 『日本童謡集』(岩波文庫)に掲載された作品が注目を浴び、金子みすゞの代表作と言われています。 

 大漁

 

        金子みすゞ

 

朝焼小焼だ

大漁だ

大羽鰮の

大漁だ

浜はまつりの

ようだけど

海の中では

何万の

鰮のとむらい

するだろう。

 

 魚も獣も食物も、人間は命を消費せずには生きて行けません。

豊富に食べ物があることが生きるのに必要なことであり、生活の手段でもあります。

 鰮が大漁に獲れたら町はお祭りのように活気づき賑わうのです。

 でもそれは、人間が食物連鎖の上位に位置しているからこそ。

普通の人間は獲られる鰮の命なんかには思い至りません。

 得る者があれば、それによって失う者がある。生きる者があれば、それによって死ぬ者もある。

www.ebaragioba.info

詩人の目は生きる者すべてに平等に注がれています。

 私達は小さな命を食べないでは生きて行けません。

その小さな命に思いを寄せて、慈しむ心は持ち続けていたいものです。

  https://youtu.be/SlsUobFHsI0

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