いつもは、レーズン酵母液から元種を作ってパンを捏ねるのですが、今回は、酵母液を直接入れてこねる、ストレート法で焼いてみました。
名付けて「古代パン」(笑)
古代エジプトで発酵パンが作られた頃には、こんな感じじゃなかったのかな、と、想像を巡らせながら焼きました。
小麦の発見とパンの歴史
古代の人々は、雑草として生えていた小麦が食料になることに気がつきました。はじめは、小麦の穂を直接火に入れて焼いて食べていたそうです。
やがて壺や器などの道具が発明されると、小麦を棒などで突いて粉にして食べるようになりました。
最初は、小麦の粉を水で溶いて火にかけ、おかゆのようにして食べたのではないか言われています。
おかゆからパリパリお煎餅へ
ある時、おかゆを作ろうとしていたら、うっかり生地を熱した石の上に落としてしまいました。
「あー もったいない」と思ったかどうかはわかりませんが、石の上で焼かれたおかゆのタネは、パリパリのお煎餅のようになって、食べてみたら香ばしくて美味しかったのです。
人間は、小麦粉を焼いて食べると美味しいことを知りました。これが、無発酵パンのはじめてです。
お煎餅から発酵パンへ
ある日のこと、お煎餅のようなパンを焼こうとしていたら、途中で何か用事ができて、生地を器に入れたまま放置し、そのまま忘れてしまいました。
何日かして、思い出したので、まだ食べられるかしらと焼いてみたら、あら不思議(笑) 少しふくらんだお好み焼きみたいなパンが焼けました。
食べてみたら柔らかくてとても美味しい♪
器に入れたまま放置している間に、空気中に漂っていた酵母菌が入り込んで、発酵したため、やわらかいパンが焼けたのです。発酵したパンのはじめてです。
古代パン
レーズン酵母液を仕込み水として、直接小麦粉に混ぜて作った今回のパンは、古代文明の人々が焼いたパン を忍ばせるような気がして、なんだか少し厳粛な気分になりました。
やはり、元種を作って入れた生地よりは発酵力は弱くて、12時間以上発酵してもあまり大きくはなりません。
仕上げ発酵は3時間くらい。高く盛り上がらずに、横拡がりに伸びた感じだったので、お好み焼きのような平たいパンに焼き上がるのかなと予想しました。
でも、意外や意外。丸パンほどではありませんが高く盛り上がって、結構大きく焼き上がりました。
焼き上がりは、固めで、内相も締まったような感じですが、噛みしめると甘味とうま味を強く感じます。
2~3日してから、トーストせずにそのままかじっても、美味しいと感じられるのは天然酵母のパンならではなのかもしれません。