丸いパンが、ラウゲンブロートヒェン、細長い方がラウゲンシュタンゲです。
ラウゲンは、アルカリ液のことで、アルカリ液につけて焼いたパンをラウゲンブロートと言います。
ブロートヒェンは、以前ご紹介したことのあるブレッチェンと同じで、スライスしなくても食べられ.る小型パン。
そして、シュタンゲは、ステッキ、杖という意味で、杖のように細長いパンを言います。
『 ドイツパン大全 森本智子・著(誠文堂新光社)』のレシピを参考に、我が家でも焼けるようにアレンジしています。
元種(発酵種)は、参考書では強力粉でしたが、以前使ったスペルト小麦が残っていたので、スペルト小麦の元種にしました。
生地はやや固めで、発酵時間も短めに調整しました。
成型して自然発酵した後に、今回は、参考書にあった通りに、アルカリ液を塗って焼きました。熱したアルカリ液にパン生地を入れて茹でてから焼く方法もあります。
ちなみに、ラウゲ液(アルカリ液)とは、本来は、強アルカリ性物質の水酸化ナトリウム(かせいソーダ)を使います。
ただ、かせいソーダは、急性毒性物質、腐食性物質ということで、劇薬指定されているので、薬局で購入する時には、身分証の提示が必要になります。
使う場合でも、皮膚についたりすると皮膚がただれたり、目に入ったりすれば失明の危険があるということで、慎重な取り扱いが必要になります。
そのため、家庭で手に入るアルカリ性の重曹(炭酸水素ナトリウム)を使いました。
今回は水と合わせて4%の溶液を、沸騰直前くらいまで温めて溶かし、生地表面にハケで塗りました。
焼き上がりですが、本来のラウゲ液を使ったパンは、表面が黒光りするような焼き上がりになるはずなのですが、重曹液だと、やや濃いめながら、そこまでは黒くなりませんでした。
また、本来のラウゲンブロートの味は、独特の風味と軽い苦みもあって、好みが分かれるかもしれませんが、、結構クセになる味なのですが、重曹液の場合は、風味も苦みもやや薄めかなと感じます。
昔、パン教室でラウゲンブロートを教えたことがあって、その時は、重曹液で茹でてから焼いたのですが、当時はもっと黒く焼き色がついたように記憶しています。
でも、なにぶん20年以上の前の話で、よく覚えていません。
ただ、翌日の朝食にトーストしたところ、さらに色がつき、独特の風味が少し感じられるようになったので、次回は焼成温度を少し高めにして焼いてみたらどうかなと考えています。
今回は、 一応、試作(失敗作)ではなく成功ですが、焼き色や風味に関してまだ研究の余地がありそうです。