くきはの余生

リタイアしてようやくのんびり暮らせるようになりました。目指すは心豊かな生活。還暦目前で患った病気のこと、日々の暮らしや趣味のことなどを綴っています。

デルフィニア戦記1~18巻 茅田砂胡著を読んだ感想

7月から読み続けてきた私の「茅田砂胡まつり」で、『スカーレット・ウィザード』の次に読んだのが『 デルフィニア戦記』文庫版Ⅰ部~Ⅳ部 全18巻(中公文庫)です。

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 読む順番からすると、『スカーレット』の前に『デルフィニア』の方がいいのですが、私は10年くらい前に、新書版のC★NOBELS版全18巻を妹に借りて読んでいたので再読でした。 

 

 『スカーレット・ウィザード』が宇宙を舞台にしたスペース・オペラなのに対して、『 ディルフィニア戦記』は、ちょうど中世ファンタジー風の世界の物語です。

もともとは『キャプテン翼』の二次作品として同人誌で書き始められたと言うのを知って、あまり結びつかないのでちょっと驚きました。

デルフィニアの王座を追われた男、ウォルが、敵の追っ手と戦っているさなか、その場に居合わせた美少女、リィが助っ人に入ります。

リィは見た目は輝くばかりの金髪で華奢な美少女ですが、元いた世界では少年だったと言い、人間離れした戦闘能力を持っているのでした。

そんなリィがウォルを助け、王座を取り戻す戦いに挑むところからお話がはじまります。

18巻という長い物語なので、登場人物も多く、周辺国も敵味方たくさんあって、とても一口では言えない波瀾万丈な展開が待っています。

あえて簡単に言ってしまうと、その後、王座を取り戻したウォルが王として、リィや仲間とともに国内外の紛争や戦いに挑み、国の安定と平和を築いていくという壮大な物語です。詳しくはこちらで→デルフィニア戦記 - Wikipedia

ジャンルとしては、ライトノベルになるので、少年少女向けのあまり難しく考えずに読めるエンターテイメント作品ですが、決して軽い作品でありません。

ファンタジー作品には必須の、「戦いと苦悩を超えた先にある希望」が描かれている点で、正当なるファンタジー作品だと思います。

先に、読む順番として『デルフィニア』を最初に読んだ方が良いと言いましたが、おそらく、はじめて読んだ方は、それが今後のシリーズにどう繋がって行くのか予想するのは難しいと思います。

特に、デルフィニアの世界では、リィの存在が謎すぎて、よくわからないままに読み終えるのですが、次に『スカーレット・ウィザード』を読んで、さらに『暁の天使たち』シリーズを読んで行くうちに、わかってきて、ようやくスッキリしました。

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作者は最初からこの展開を考えていたのか、それとも、書いて行くうちにこうなってしまったのかわかりませんが、読者に先を読みたいと思わせる構成は見事だと思います。

2017年に『デルフィニア戦記第1章~動乱の序章~』として舞台化さもれています。現在AMAZON ビデオで有料視聴できるのですが、なんとなく、恐くて観ていません。

やっぱり、頭の中で想像して読んだ世界がリアルになると、イメージが変わってしまう可能性があるので、躊躇してしまうのですよね。

たぶん、これからも時々読み返したくなる小説だと思うので、自分の中のイメージだけにとどめておこうと思います。