くきはの余生

リタイアしてようやくのんびり暮らせるようになりました。目指すは心豊かな生活。還暦目前で患った病気のこと、日々の暮らしや趣味のことなどを綴っています。

「月月に・・・」の歌・読み人知らず:中秋の名月か仲秋の名月か?

今年、2020年の十五夜、旧暦の8月15日は、10月1日だそうです。

秋のお月見にちなんで、「月月に・・・」の歌を取り上げてみます。

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 作者は不明で、出典は『一挙博覧』という書物という説がありますが、はっきりとはわかっていないようです。

 

 

月々に月見る月は多けれど月見る月はこの月の月 

 

満月の月は毎月見られるけれど、月を見るのはやはりこの月(旧暦8月)の月であるなあ

 

crd.ndl.go.jp

この歌は、高校生の時、古典の先生が雑談として教えてくれた歌で、印象的だったので、今でも覚えていました。

お月見の季節になると、毎年思い出します。

「月」が8つ重ねられていて、言葉遊びのような、何かの呪文のような印象です。

monthの月とmoonの月が出てきます。

月々見るは多けれど見るはこの 。青文字がmonthで、赤文字がmoonになりますね。

太陰暦は月の巡りを基準にしているので、同じ字と発音になったのかもしれません

お月見の行事は、お団子をお供えしたり、水鏡に映した月を愛でたり、昔から色々な楽しみ方がありました。

宮中や貴族の家に仕える女房たちの間では、お芋を箸に刺して穴を開け、その穴から十五夜の月を見ながら、この歌を唱えるという風習があったそうです。

呪文のような、という印象はあながち間違いでなかったかもしれません。

中秋の名月と仲秋の名月

お月見は、 旧暦の8月15日に月を愛でる行事。平安時代頃に中国から伝わってきました。

旧暦の秋は、7月、8月、9月とされていて、真ん中の月8月は「仲秋(ちゅうしゅう)」と呼ばれていました。

対して、旧暦8月15日(秋の中日)の月は、当日限定の呼び方として「中秋(ちゅうしゅう)の月」と呼ばれました。

仲秋」と「中秋で紛らわしいですが、十五夜の月は「仲秋の名月」ではなくて、「秋の名月」が正しい使い方のようです。