今年、2020年の十五夜、旧暦の8月15日は、10月1日だそうです。
秋のお月見にちなんで、「月月に・・・」の歌を取り上げてみます。
作者は不明で、出典は『一挙博覧』という書物という説がありますが、はっきりとはわかっていないようです。
月々に月見る月は多けれど月見る月はこの月の月
満月の月は毎月見られるけれど、月を見るのはやはりこの月(旧暦8月)の月であるなあ
この歌は、高校生の時、古典の先生が雑談として教えてくれた歌で、印象的だったので、今でも覚えていました。
お月見の季節になると、毎年思い出します。
「月」が8つ重ねられていて、言葉遊びのような、何かの呪文のような印象です。
monthの月とmoonの月が出てきます。
月々に月見る月は多けれど月見る月はこの月の月 。青文字がmonthで、赤文字がmoonになりますね。
太陰暦は月の巡りを基準にしているので、同じ字と発音になったのかもしれません
お月見の行事は、お団子をお供えしたり、水鏡に映した月を愛でたり、昔から色々な楽しみ方がありました。
宮中や貴族の家に仕える女房たちの間では、お芋を箸に刺して穴を開け、その穴から十五夜の月を見ながら、この歌を唱えるという風習があったそうです。
呪文のような、という印象はあながち間違いでなかったかもしれません。
中秋の名月と仲秋の名月
お月見は、 旧暦の8月15日に月を愛でる行事。平安時代頃に中国から伝わってきました。
旧暦の秋は、7月、8月、9月とされていて、真ん中の月8月は「仲秋(ちゅうしゅう)」と呼ばれていました。
対して、旧暦8月15日(秋の中日)の月は、当日限定の呼び方として「中秋(ちゅうしゅう)の月」と呼ばれました。
「仲秋」と「中秋」で紛らわしいですが、十五夜の月は「仲秋の名月」ではなくて、「中秋の名月」が正しい使い方のようです。