「古事記」を読み始めたのは3年ほど前のことです。もちろん原文ではなく、ビギナーズ向けの『現代語訳古事記』福永武彦・訳(河出文庫)電子書籍版。です。
最初は、読み始めてすぐ、「国産み」のあたりで、次々に出てくる神様の名前に恐れをなして投げ出しました。漢字の名前の横に書いてあるカタカナのルビを読み続けるのがつらくて(汗)
その後も何度も挫折して止まりながら、少しずつ、少しずつ読み進めていたら3年が経過していました。
古事記
「古事記」は、稗田阿礼(ひえだのあれ)が暗唱していたものを大安麻呂(おおやすまろ)が編纂した3巻の書物。神話の時代から推古天皇の時代までの天皇家の歴史が記されています。
挫折しながらも最後まで読み終えられたのは、所々によく知っているイザナギの命の黄泉国のお話や、天岩戸のお話、ヤマトタケルの命のお話などエピソードがでてきたからかもしれません。
私の場合、学問として読んだわけでなくて、楽しむための単なる読み物として読みました。小説を読むのと同じようなつもりで読んでみると、特に前半はファンタジーなんです。
神話なのだから当然なのかもしれませんが、日本人の祖先たちの想像力の豊かさを痛感します。
また、現代の私達の感覚なら羞恥を覚えるような場面も、残酷な場面も、大らかに素朴に表現されているというのも新鮮なことでした。
儒教やキリスト教の教えなどない時代、日本人本来の価値観、道徳観なのでしょうか、人間の身体や本能習性などに偏見なしにありのままに受け取り表現しているのだなと感じました。
日本書紀
「日本書紀は」は、川島皇子(かわしまのみこ)達が天武天皇に命じられて編纂した30巻プラス系図1巻の書物。持統天皇までの国の歴史が書かれています。
全部で30巻もありますから、私が読んでいるのは現代語訳の抜粋版。『現代語訳日本書紀』福永武彦・訳(河出文庫)電子書籍版です。
実はまだ読んでいる途中で、読み終わるにはまだまだ時間がかかりそうです。もしかしたら古事記同様に2~3年はかかるかもしれません。
今はまだ最初の神話の部分読んでいて、古事記とも被っている部分が多いので、お話の微妙な違いなどを興味深く感じています。
古事記はもともとは「語り」として伝承されてきたので物語りとしての表現が多いのですが、日本書紀の方はより歴史書という感じになっていて、 メインのお話の後に、「別伝」として複数のエピソードが併記されて、より資料としての意味が強いのだろうと思います。
古事記も日本書紀も、感想を抱けるほどには読みこなせていないのですが、特に神話の部分は、日本人の原点というか、想像力の豊かさに心を動かされます。