くきはの余生

リタイアしてようやくのんびり暮らせるようになりました。目指すは心豊かな生活。還暦目前で患った病気のこと、日々の暮らしや趣味のことなどを綴っています。

プッチーニ・オペラ『修道女アンジェリカ』を観た感想:新国立デジタルシアター

プッチーニのオペラ『修道女アンジェリカ』を新国立デジタルシアターで観ました。

配信期間:2023年12月16日~2024年6月15日

収録日:2023年10月4日(水)

 

指揮:沼尻竜典

アンジェリカ:キアーラ・イゾットン /  公爵夫人:齊藤純子 /  修道院長:塩崎めぐみ / 修道女長:郷家暁子  / 修練女長:小林由佳 / ジェノヴィエッファ:中村真紀 / オスミーナ:伊藤 晴 / ドルチーナ:今野沙知恵 他

合唱:新国立劇場合唱団 

管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団

 

プッチーニはイタリアの作曲家。「トスカ」「ラ・ボエーム」「蝶蝶夫人」など有名なオペラを数多く書いています。

「修道女アンジェリカ」は、全1幕の比較的短いオペラで、1幕もののオペラ3部作のひとつだということです。

舞台は尼僧院。アンジェリカはかつて正式な結婚なしで息子を生んだ貴族の女性。罪を問われ子供を取り上げられて尼僧院に入れられました。

ある日、後見人の公爵夫人が来て、会話の中で心にかけていた息子が死んだことを知り嘆き悲しみます。

アンジェリカは死を選び毒を飲みますが、今はの際に自殺は罪であることに気づき聖母に強く祈り許されます。

尼僧院でのお話なので、出演者は女性だけ。全体として音楽は美しく、私などの素人にもわかりやすい感じでした。

公爵夫人の演技が威厳があって、とても恐かった(笑)冷酷な雰囲気がよく出ていたと思いますが、アンジェリカが息子の死を知って泣き崩れているところに、手を伸ばそうとしてひっこめるところなどは、冷酷なだけではないのかもしれないと思いました。

アンジェリカのキアーラ・イゾットンさんの歌は圧巻でした。

産んですぐに引き離されてしまった息子を思う愛情や悲哀が迫ってくるようでした。

最後に服毒した時、キリスト教の信者で自殺はどうなんだろうと考えてしまったのですが。

案の定、我に返ったアンジェリカが罪を自覚するので、ちょっと「えー」っとなりましたけど(笑)そういう台本なのだから仕方ありませんね。

最後に罪を自覚してマリア様に祈った彼女は、許されて息子がいる天国へ旅立てたはずです。

 

同時にラヴェルの『子どもと魔法』も上演されているので、それはまた後ほど感想を書く予定です。