くきはの余生

リタイアしてようやくのんびり暮らせるようになりました。目指すは心豊かな生活。還暦目前で患った病気のこと、日々の暮らしや趣味のことなどを綴っています。

茹でる色々

今週のお題「こぼしたもの」

調理用語には面白い言い方があります。

例えば「茹でこぼす」。茹でてこぼすすとはなんぞや?

熱い鍋をひっくり返すと危険ですのでご注意ください(笑)

茹でこぼすは、食材のアクを抜いたり、苦みを抑えたりするために茹でてからその茹で汁を捨てること。日常の料理で良くやる調理方法です。

 

小豆を煮るとき、里芋のぬめりを取りたいとき、大根やコンニャクのアク抜きなど、下処理に使います。

ただの「茹でる」との違いは、茹でるが中心まで火を通して柔らかくするのに対して、「茹でこぼす」は沸騰させてから少し加熱するだけでお湯を捨ててしまいます。

食材によって固さなどが違うため、一概に何分とは言えませんけれど、表面だけ少し加熱されているだけの状態です。

普通「こぼす・零す・溢す」というと、自発的というよりは、意図せずにそうなってしまったというイメージがあります。

手がすべってコーヒーをキーボードにこぼしてしまった、とか、悩み多くてつい愚痴がこぼれた、とか。

でも「茹でこぼす」場合は意図してお湯を捨てるので、それらの「こぼす」とは別の使い方なのでしょうね。

 

ちなみに、茹でるに関連する調理用語に「湯掻く(ゆがく)」というのもあります。

ほうれん草などの青菜を短時間茹でること。アクを抜き、しんなりさせて食べやすくします。クタクタにやわらかくしてしまわずに、少し歯ごたえが残る程度に茹でます。

青菜などはすぐ柔らかくなりますから、茹でこぼすよりは、茹で時間が短いことが多いです。

しゃぶしゃぶは、お出汁の中で薄切肉を「湯がいて」食べていますね。

 

さらに茹で時間が短いのは「湯通し」です。

サッと熱湯にくぐらせる程度。上からお湯を回しかける湯通しもあります。

食材の表面だけを熱して、油揚の油分を取ったり、肉や魚の臭みを取ったり、殺菌のためという場合もあります。

日常当たり前に使っている言葉ですけれど、同じ「茹でる」でも何を茹でるか、何を作るかで違っているのは面白いと思います。