くきはの余生

リタイアしてようやくのんびり暮らせるようになりました。目指すは心豊かな生活。還暦目前で患った病気のこと、日々の暮らしや趣味のことなどを綴っています。

オペラ『ドン・ジョバンニ』を観た感想:新国立劇場デジタルシアター

新国立劇場デジタルシアターでモーツアルト作曲のオペラ「ドン・ジョバンニ」を観ました。

配信期間は2023年10月13日(金)12:00~12月7日(木)12:00。

収録日は2022年12月8日(木)

指揮:パオロ・オルミ 演出:グリシャ・アサガロフ

 

 ドン・ジョヴァンニ:シモーネ・アルベルギーニ / 騎士長:河野鉄平 /  レポレッロ:レナート・ドルチーニ  / ドンナ・アンナ:ミルト・パパタナシュ  / ドン・オッターヴィオ:レオナルド・コルテッラッツィ /  ドンナ・エルヴィーラ:セレーナ・マルフィ /  マゼット:近藤 圭 /  ツェルリーナ:石橋栄実

合唱:新国立劇場合唱団

管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団

www.nntt.jac.go.jp

「ドン・ジョバンニ」は、いわゆるドンファン。スペインの有名な放蕩者のお話を基にしています。

若い頃、一度二期会オペラで見たことがあったはずなのですが、ラストシーン以外記憶が残っていなかったので、はじめて見るような気持ちで楽しみました。

節操なく女性を食い物にして、モノにした女たちをリストにしているというとんでもない貴族の男。リストの数はヨーロッパ中に何千人とか(笑)

後腐れ無くスマートに別れるならまだしも、別れた女性たちの怨みをかう。どうしようもない悪人がタイトルロールのオペラです。

華やかなというよりは、被害者たちのの暗い嘆きや怨みに満ちた舞台でした。

最期のシーンではドンファン伝説通りに、主人公は地獄へ落ちます。

ライトノベル的に言えば「ざまあ」展開ですが、なんとなく後味が悪いというか、愉快な終わり方ではありませんでした。

まあ、そういうお話なのでしかたがないんですけれどね。

でもモーツアルトの音楽って、時には軽薄で軽々しく感じる曲があるかと思えば、重厚で重々しくなったり、天上の音楽のように神々しい音楽にもなったりして変化自在だなと思います

最期の晩餐のシーンでは、「フィガロの結婚」など、モーツアルトの他のオペラの曲が出て来て、従者レポレッロが替え歌を歌うなど、観客サービスもあります。

その直後にある深刻な主人公の最期の前に、ちょっと息抜きと言った効果もあるのかもしれません。