くきはの余生

リタイアしてようやくのんびり暮らせるようになりました。目指すは心豊かな生活。還暦目前で患った病気のこと、日々の暮らしや趣味のことなどを綴っています。

「ロイヤル・ミステリー 皇后のドレスの謎」を観た感想:NHKオンデマンド

Amazonプライム、NHKオンデマンドで、「ロイヤル・ミステリー・エピソード1 皇后のドレスの謎」を観ました。2023年作のドキュメンタリーです。

明治の美子皇后(昭憲皇太后)が着用されたという大礼服、最高格式のドレスが発見されて、それを修復して行く上で、様々なことがわかってきたそうです。

 

当時、宮中はもちろん、民間でも和装が当たり前な時代。不平等条約を修正して、外国と肩を並べるために、当時の政府は苦心しました。

その中の一つが、洋装化であり、鹿鳴館などで象徴されるような西洋文化を取り入れるということでした。

それまで十二単だった正装を、肌を露出させるような西洋のドレスに変えて行ったのは、美子皇后の「国のためなら何でもする」、という固い決心があったからだったそうです。

皇后の大礼服は、白いドレスで、緻密な薔薇の刺繍の、3メートルほどもある長い裾(ドレイン)をひく豪華なもの。

どこか外国で仕立てられたものだと思われていましたが、修復作業をしているうちに、刺繍の内側から和紙が見つかりました。

まだ西洋の服を仕立てる技術も一般的でなかった頃、このようなドレスを誰が作ったのか、当時の日本と外国の技術や文化の研究から、さまざまなことがわかってきました。

日本には、西陣など、織りの技術も文化も根付いていたのですよね。それに加えて、西洋の新しい技術を学び、取り入れて、この大礼服は作られたようです。

ドレス一枚で、(もちろん歴史的文化的にも重要な価値のあるドレスですが)当時の国内外の社会状況から、文化、生活いたるまで、たくさんのことがわかってくるというのは興味深いことでした。

普段あたりまえに着ている服ですが、服飾の歴史も学べば面白そうだと思います。