くきはの余生

リタイアしてようやくのんびり暮らせるようになりました。目指すは心豊かな生活。還暦目前で患った病気のこと、日々の暮らしや趣味のことなどを綴っています。

学生寮での貴重?な体験

今週のお題「引っ越し」

ずっと実家に住んでいるので、家の引っ越しはありませんが、学生時代には何度か引っ越しました。

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入学時は、大学の寮に一年、その後アパートに引っ越して、卒業時に通勤に便利な借家へ、それから、実家へもどりました。

そうそう、入学したばかりの時に住んだ、大学の学生寮は面白い場所にありました。

私が学生だったのは、もう40年以上も前のことなのですが、学生寮だった建物が一風変わっていたのです。

どうやら、昔の赤線地帯とやらの場所だったらしく。どうみても遊郭めいた、築50年以上という古い建物が、何軒も立ち並んでいる一画でした。

そこの一つの建物が、私の大学の女子寮で、他の建物には他の男子大学生や、司法試験を受ける浪人生などが入っていたようでした。

私が入っていた部屋は、通りに面した二階の四畳半で、ガラス戸を開けるとすぐに通りが見渡せます。

しどけなく着崩した美女が、気だるげに通りを眺める絵が想像できるような雰囲気でした。

まあ、そこに、平凡な田舎娘が住んだわけですが、今思うとかなり貴重な体験をしたのかもしれないと思います。

建物の中央には、庭石などが置かれた中庭があって、庭を囲むようにぐるりと廊下が巡っていました。

その廊下に、私達は洗濯物を干したりしていたので、情緒もなにもありませんでしたけれど。

また、奥の方には、2畳くらいの狭くて、日が射さないような暗い部屋もあって、一度中を見せてもらいましたが、そこに入っている学生もいました。

東京に馴れるまでの、一年で出なければならない寮だったので、我慢していたようですが、今の子供なら文句を言っただろうと思います。

それ以前に、今の親なら、あんな不健康な部屋には入れないでしょうね。

 でも、よくよく考えてみると、かつては、そんな部屋に、長年住んでいた女性がいたと言う現実を突きつけられた感じがします。

あの頃は、持っていた荷物も少なかったですし、引っ越しと言っても簡単でしたけれど、その後、アパートで一人暮らしを始めると、家具も増えて、実家へ戻る時は少し大変だったように記憶しています。

それももう、今は昔のお話しになりました。