くきはの余生

リタイアしてようやくのんびり暮らせるようになりました。目指すは心豊かな生活。還暦目前で患った病気のこと、日々の暮らしや趣味のことなどを綴っています。

父が買ってくれた真珠のネックレス

今週のお題「一生モノ」

私はアクセサリーなどにあまり興味が無くて、夫に買ってもらった婚約指輪と結婚指輪がタンスの肥やしになっているくらいです。

それともう一つ。父に買ってもらった真珠のネックレス。

これは今となっては、父の形見であり宝物になっています。

 

 

 

私は家付き娘で、お嫁に行かなかったので、嫁入り支度がありません。婚礼家具もなければ、着物も1枚もありません。

それを当然だと思っていましたし、特に残念だとも、不満にも思いませんでした。

10歳年の離れた妹が嫁ぐ時、次々に嫁入り支度が届くのを見ても羨ましいというよりは、妹を嫁に出すのが心配のような寂しいような、母親のような気分でいました。

ところが、父は私を違う目で見てくれていたのだろうと思います。

なんでも車で移動中、カーラジオの通販番組が耳に入って、紹介していた真珠のネックレスを衝動買いしたらしいのです。

それも、嫁ぐ妹の分だけでなく、私の分まで。

商品が届いて渡された時、予想もしていなかったので驚きました。

通販番組のものなので、宝飾店で買うよりは安かったのかもしれませんが、結構大粒の揃った真珠で、普段の父なら考えそうもない買い物だと思いました。

妹の買い物ばかりしていて、何も欲しがらない私を気遣ってのことだったのかもしれません。

父の気持ちがありがたいと思いました。

そして、この真珠のネックレスはとても出番が多かったのです。

真珠は年齢を問わず、冠婚葬祭どれにでも使えます。

祖父母のお葬式に、父自身のお葬式の時にも、妹とお揃いでこのネックレスをつけて送り出しました。

買ってもらえて本当に良かったです。

私が自分で買うとしたら、たぶん本真珠ではなく、ビーズのイミテーションを買ったと思います。

若いうちはそれで良くても、ある程度の年齢になると、本物が必要な場面がでてくるものなのです。

父がそこまで考えたかどうかはわかりませんが、本当に重宝しました。

これは私に取って一生ものの宝物だと思います。

もしも、これから嫁ぐお嬢さんをお持ちなら、花嫁道具の中に、ぜひ本真珠のネックレスを1本入れてあげて欲しい。そんな気がしています。