くきはの余生

リタイアしてようやくのんびり暮らせるようになりました。目指すは心豊かな生活。還暦目前で患った病気のこと、日々の暮らしや趣味のことなどを綴っています。

ジーン・アウル作『野生馬の谷(上・下) エイラ地上の旅人3・4』を読んだ感想

ジーン・アウル作『野生馬の谷の上・下巻 』を読みました。エイラ地上の旅人シリーズの3~4です。

それぞれ400ページ以上の長編ですが、面白かったので一気に読んでしまいました。 

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 前作の「ケイプベアの一族上・下」では、ネアンデルタール人の一族の中で育てられたクロマニョン人の女の子エイラが、一族のさまざまな掟やタブーの中で異端児として育って行く過程が描かれていました。

(以下ネタバレがありますのでご注意ください)

 野生馬の谷(上・下)では、エイラを守り育ててくれた薬師イーザや、まじない師クレブは亡くなっています。族長ブルンは息子のプラウドにその地位を引き継ぎ、一族の立場や構成が変化します。 

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新族長プルンは昔からエイラを憎んでいたため、悪意を持ってエイラを扱います。

 やがてプラウドの命令で、エイラは一族を追われ、息子ダルクからも引き離されてひとり旅立つことになります。 

www.ebaragioba.info

野生馬の谷の物語では、エイラの物語と、新人類であるゼランドニー一族のジョンダラーとソノーランの物語が描かれています。

エイラは、生き延びるために苦しみながらも、少しずつ自然に対する知識を蓄え、失敗を糧にして工夫を重ねて行きます。

一方、ジョンダラーとソノーランの兄弟はソノーランの「冒険の旅」で、生死を賭けた旅というよりも、好奇心を満たすための旅という少し高度な行動であるように思います。

それぞれのお話は交互に語られて、同時進行して行くのですが、どちらかと言うとエイラのバートの方が面白く、ジョンダラーのパートはストーリーがわかる程度にサッと読み飛ばしてしまいました。

もちろん、ジョンダラー兄弟も重要な登場人物で、彼らの行動を通して新人類の考え方や宗教観、知識などを垣間見るのは興味深かったのです。でも、これまでエイラの人生を中心に辿ってきたために、エイラの物語の先が読みたくて、ジョンダラーのパートは少しもどかしく感じました。

別々の人生を歩んできたエイラとジョンダラーの道は、やがて運命に導かれて交わることになります。エイラにとっては、はじめて同じ人種との出会い、でも、育った環境によって簡単には理解し合えない状況。

すれ違いや誤解をを繰り返しながら、少しずつ近づいていく二人の姿は、恋愛小説を読んでいるような、美しいシーンも多く表現されていました。

次巻は『マンモス。ハンター』上中下の3冊に別れています。エイラ上の地上の5~7です。