『みをつくし料理帖全10巻』髙田郁・著( ハルキ文庫)。大好きな小説で、以前何度も読んで、機会があったらもう一度読みたい本です。
でも、断捨離でリサイクルしてしまったので本が手元にないのと、今の私は文庫本の活字が見えないので読むことができないでいます。
主人公は大阪出身の女料理人澪(みお)。大阪から江戸に出て、料理人として身を立てていく姿を描いた時代小説です。くわしくはこちら↛みをつくし料理帖 - Wikipedia
水害で両親を亡くし、身を寄せていた料理屋「天満一兆庵」を火事で失い、女将の芳(よし) とともに江戸へ出てきました。
大阪と江戸との味の違い、食材の違い。そして文化習慣の違いなどに戸惑いながらも「つるや」の料理人として暮らすようになります。
時代小説と言っても武士の話ではなくて、恋愛あり、友情あり、大店の料理屋との料理合戦あり、庶民の生活の中で起こる人情話です。
小説の中に出てくる料理は、作者の髙田郁さんが実際に作ってみたものだと聞きましたが、私自身も小説を読みながらそれを再現してみるのを楽しんでいた時期がありました。
江戸時代の人々がどんな食べ物を、どう調理して食べていたのかなど、想像したり、現代と比べてみたりするのも楽しかったです。
ドラマ・みをつくし料理帖
2012年と2014年にテレビ朝日で 北川景子主演でドラマ化され、さらに2017年にはNHK土曜時代ドラマで 黒木華で連続ドラマ化しています。
そして、2019年12月14日NHKスペシャルドラマで続編の前編が、12月21日には後編が放映されます。
原作小説は、料理に恋愛、店の再建、近しい人達とのかかわりなど、とにかく盛りだくさんの内容なので、描ききれない部分が多くあって、原作を知っていると、どうしても中途半端な感じは否めません。
やはりドラマは時間枠があるので、お話の一部を切り取った感じになってしまうのはしかたがないことでしょうね。でも、かなり小説のイメージと近く再現されていました。
テレビ朝日のドラマの方は、全体として色鮮やかで、北川景子さんは華やかな感じの澪だったように記憶しています。
衣装の着物が、長屋住まいの町娘にしては鮮やかな色だったため、少し違和感を感じた部分もありましたが、活気あふれた江戸の町の風景が印象的で、なかなかの秀作だったと思います。
どちらかと言うと、NHKの連ドラの方が江戸という時代にふさわしい印象でした。
黒木華さんの澪の衣装も控えめで、慎ましやかで芯の強い性格が良く出ていたように思います。
やはりストーリーは描き切れていない感じで、特に最終回の最後の場面は、なんだか中途半端に終わってしまってもの足り無さを感じていたのですが、今年2019年のスペシャルドラマ前後編に続く予定だったのなら、まあ許せるかなと思います。
12月14日のスペシャルドラマ前編は、料理のことはほとんど無くて、澪の初恋に焦点を当てていました。
原作小説でも、胸が締め付けられるような切ない恋で、武家と町民という身分差のある時代を強く意識させられます。
後編はどのような展開になるのかまだわかませんが、観るのがたのしみです。
映画みをつくし料理帖
来年2020年秋には松本穂香主演、角川春樹監督で映画化もされるそうです。くわしくはこちら↛映画『みをつくし料理帖』公式サイト
映画だと2時間くらいですよね。ストーリーのどのあたりを中心に描いていくのか気になります。
映像化も嬉しいのですけれど、私はやはり、文章を読んで、自分の中でイメージを膨らませる方が好きです。
電子ブック化されれば読めるのですけれど、現在はコミック版しかされていないので残念です。
一応、電子化希望のリクエストは送っておきましたが、叶うかどうかはわかりません。