藤田千秋・著『ボウルひとつでこねずにできる本格パン』(河出書房・刊)を読みました。こねずに作るパンというのがどんなものか興味があったからです。
パンを焼くには、生地をこねたり、叩いたりして強いグルテンを作るのが普通です。(私は手ごねの時は、こねないで叩いてグルテンをつくります)
ただボウルの中で混ぜるだけではしっかりしたグルテンができずに、パンが膨らまないのではないかと思ったので、どんな風にするのだろうと興味を持ちました。
本には、バゲッドやカンパーニュ、食パンなどタイトル通りに本格的なパンのレシピが紹介されています。作り方も「なるほどー」と思いました。
こねずにできるパンの特徴
ボウルで混ぜやすくするために、小麦粉の量は少なめ150g、水分を多くして、油脂はサラダ油やオリーブ油などの液体のオイルを使用して、やわらかい生地にしてあります。
また、グルテンの生成が弱いのを補うために、ゆっくり発酵させ、発酵時間を長くしています。
実際に作ってみました
本の手順通りにすれば、間違いなくパンは焼けそうです。
ただ、なまじ多少の知識があるため「私はこうはやりたくない」という点もいくつかありました。そのあたりは、勝手に自己流を貫くことにして、焼いてみたのがこちら。
イタリアのパン「チャバダ」です。
くわしくは別記事でレポートするつもりですが、 これは、外側パリパリ、中身ふわふわ。軽くて、焼きたてがとても美味しかった♪
一日おいた翌日もトーストすれば問題なく食べられました。
もうひとつ、全粒粉入り食パン。0.75斤の小さな食パン型で焼きました。
こちらは、正直に言うと、質の良い食パンとは言えません。内相のキメが粗いですし、グルテンがしっかりできていないせいか、指でこするとクラムがポロポロはがれます。
焼きたてはマアマア食べられますが、翌日にトーストして食べると味が落ちました。
こねずに作るパンはアリか?
まだ2種類しか試してみてはいませんが、今のところ「こねないで作るパン」は、種類によってはアリだと思います。
チャバダもそうですけれど、あまり大きく膨らむことを求めない、平たいパン、小型パンなどは向いているかもしれません。
また、時間がたつと味が落ちますので、焼きたてをすぐに食べきってしまうのが良いと思います。
はじめてパンにチャレンジする人向き
『ボウルひとつでこねずにできる本格パン』の方法なら、材料を混ぜ合わせるだけで作れるので、はじめてパンを焼いてみたいという人に向いています。
気軽にパン作りを楽しんでみて、興味が持てるようだったら、次はしっかりグルテンを作って焼くパンにもチャレンジしてみたら楽しいと思います。