くきはの余生

リタイアしてようやくのんびり暮らせるようになりました。目指すは心豊かな生活。還暦目前で患った病気のこと、日々の暮らしや趣味のことなどを綴っています。

抗ガン治療化学療法の副作用2:病気の話21

6回の抗ガン治療・化学療法を終えて約3か月が過ぎました。少しずつ体力がもどり、副作用が少なくなり、抗ガン剤のダメージは減ってきているように感じます。

副作用は使う抗ガン剤によっても、人によってもそれぞれ。症状も感じ方も違うそうです。抗ガン治療をしながら仕事を続けている人もいるそうで、それは、よほど精神力が強い人なのではないかと考えます。

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私の場合は、治療が4回目、5回目、6回目と重なるにつれて、副作用がきつくなって、体を起こしていることさえつらくなってしまいました。簡単な家事さえほとんどできずに夫に頼りきりでした。

 体を起こしていることがつらくなった原因は3つありました。貧血と低血圧と手足のしびれです。毎回治療直後に感じる吐き気は、1~2週間でなくなりましたし、吐き気止めの薬を処方されていたので、早めに飲んでおくことで対処できました。

でも、貧血、血圧そしてしびれは常時でした。3つが重なって、自分ではどうしようもない不快感を感じていました。 

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貧血

婦人科の手術をする前から血が薄いと言われていたので、婦人科の手術前後前には鉄剤を処方されていたのですが、退院後は飲まなくなりました。

抗ガン剤は血液中のヘモグロビンを破戒するため貧血が進み、とても疲れやすくて、10歩ほど歩いただけでも息が上がって歩けなくなりました。

低血圧やしびれの影響もあったのだと思いますが、廊下でも床でも、ところ構わず横になって休んでからでないと次の行動がとれない状態でした。なんとも表現できないほどのダルさで、体を起こしているのがつらくて、ついつい横になっていることが多くなりました。

婦人科外来の待合室で順番を待っている時にも、椅子に座っていられなくて、隣の椅子に顔を伏せていたりしたので、見るに見かねた看護師さんが診察室のベッドに横にならせてくれたりしていました。

そのため6回目の抗ガン治療の1週間前に、1泊入院で輸血をすることになりました。輸血用の血は貴重な資源ですから、安易に考えたくなかったのですけれど、血液検査の数値と、フラフラしている私の状態を見て、主治医が勧めてくれました。

そのおかげで、かなり状態が改善しました。看護師さんによると、輸血が終わってからすぐに、「真っ白だった顔に赤みが戻っている」と言ってもらいました。疲れやすさは変わりませんでしたが、どうしようもないほどの体のダルさは軽くなったように感じました。 

低血圧

はじめて抗ガン治療をした時に。血圧が高くて循環器内科を受診するように言われ、血圧を下げる薬を処方されました。

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その後しばらく処方された薬を毎日飲んでいたのですが、どうもようすがおかしいのです。体を起こしていると頭がフラフラして気分が悪くなりました。

定期的に朝晩血圧を測るようにして記録ノートを眺めてみると、抗ガン治療直後は確かに高めの時があるのですけれど、それ以外はどちらかと言うと血圧が低め。高い方が85とか100とか、毎日そんな風でした。

そんな状態で血圧を下げる薬を飲んでいたのでたまりません。血圧がさがり過ぎてフラフラしていたようです。

それがわかってからは、医師と相談して、血圧を測って高い時だけ薬を飲むということにしました。

しびれ

手足のしびれは治療をはじめた頃からありましたが、回数を重ねるうちに、だんだん強くなってきました。しびれを緩和する薬を処方されているので、それを飲むことでしびれの範囲は狭くなりました。

指先から肩までしびれていた腕は。指先だけのしびれになり、足先から太ももまでしびれいた足は、足首から下と、ひざ周りだけになりました。

が、治療を重ねるにつれて、しびれの強さはしだいに強くなってきました。さらに、ツンツン刺すような痛みを感じるようになりました。痛みは割と頻繁で、つい「痛い」と口に出してしまうような痛さでした。薬剤師さんによると、これは「しびれが強く出た時に、痛く感じるのではないか」ということでした。

指に力が無くて錠剤のような小さいものがつまめない、ペットボトルのフタが開けられない、お箸でものが食べられない。

足の感覚が無くて、ひざに力が入らないため、立った時に体のバランスがれなくてフラつく、壁や手すりで支えないと歩けない、歩いているとひざから下がダルくなってきて、ガクンとひざが折れてしまう。

 

他にも、深夜にトイレに起きて気を失い、夫に発見されたことも何度かありましたし、食べ物が消化できずに吐いてしまったりもしました。抗ガン治療の後半は自分で自分の体をもてあましているような日々でした。

主治医や看護師さん、薬剤師さん、そして夫も、私の不快な状態に対処するため試行錯誤してくれました。そしてなんとか良い対処方法を見つけた頃には治療が終わったのです。

治療を終えて3ヶ月過ぎた今でもまだ、つかまらないと歩けなかったり、しびれが残っていたりはしますが、時間が経つにつれて少しずつ良くなっているのは感じられます。

現在は2~3ヶ月に1度外来で再発転移がないかの検査をしています。1~2年後には4~5ヶ月に1回、さらには半年に1回となり、今後5年間は観察期間ということになります。まだまだ先は長いですけれど、無事に5年間を乗り越えられるように願っています。(→病気の話22)