くきはの余生

リタイアしてようやくのんびり暮らせるようになりました。目指すは心豊かな生活。還暦目前で患った病気のこと、日々の暮らしや趣味のことなどを綴っています。

絶食後の薄いコーンスープ

今週のお題「感動するほどおいしかったもの」

最近は何を食べてもおいしい。毎日の食事でも、たまに食べるおやつでも。

近年はあまり手をかけた料理を作ることが少なくなって、市販品や冷凍食品などを取り入れて、自分では簡単に作れるものばかり作るようになってしまっていますが、それでも、食べ終わった後で「ああ、おいしかった」と口に出して言うことにしています。

 

特に意味は無いのですが、病気をしてから食事制限などもあるので、ネガティブな気分にならないように、自分の気分を上げているというところもあるのかもしれません

加えて、かつて体調の悪いときの食事と比べると、元気になった今は、どれほどおいいしく食べられているか、幸せなことだと思います。

かつて手術をした後しばらくは点滴だけで絶食が続きました。体調が悪かったのもあって食べたいとも思わなかったのですが、少しずつ回復してきて、初めて流動食が出た時の事は忘れられません。

お盆の上に3つの器が乗っていました。薄いおもゆ、と、薄い具なしのみそ汁、同じく薄いコーンスープでした。

あまり食欲もなかったのですが、無理矢理おもゆを飲み、塩気の薄い味噌汁を口に含んだ時に「あれっ」と思いました。味は薄いのですが、出汁のうま味が喉を過ぎると、なんだか食欲が蘇ってきた気がしました。

そして最後に飲んだコーンスープの甘味と塩味がはっきり感じられて、思わず「おいしい」と思いました。

お盆を渡された時は、おそらく全部は飲めないだろうと思っていたのですが、気がつけば完食していて。なんだか力が湧いて来るような気さえしてきました。

健康な時飲んだなら「こんな味のないスープ」とガッカリしたかもしれないほど薄いスープでしたけれど、やはり口から食べてお腹へ入れるというのは、点滴で栄養を体に入れるのとはまた違った意味があるのだと思います。

近年は外出することも少なくなって、たまに妹とファミレスで食べるくらいになりました。でも贅沢しなくても心が満たされるおいしいものは身近にたくさんあるんですよね。そういうささやかな「おいしい」を楽しんでいけたら幸せだなと思います。